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表現の自由の制限

空幕僚長の更迭の件ですが、デカンさんより興味深い問題提起がありました。
「思想信条の自由は職業によって制限されるもの」と法律に明記されてるの?(体たらく集団日記11月6日の日記より)

憲法上、思想良心の自由や表現の自由は保障されています。もっとも、他の人権と抵触する場合や「公共の福祉」との兼ね合いで、制限される場合があります。いくら憲法で保障されている権利でも、無制限ということはありません。

では、職業によって制限されることは許されるのでしょうか。

公務員や裁判官は政治活動の自由(表現の自由の派生)は法律で制限されています。
国家公務員法 第102条1項 
職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。

裁判所法 第52条 
裁判官は、在任中、左の行為をすることができない。
一  国会若しくは地方公共団体の議会の議員となり、又は積極的に政治運動をすること。

公務員の政治活動の制限が憲法21条(表現の自由)に反しないか争われた裁判では、裁判所は以下のように述べています。
「行政の中立的運営が確保され、これに対する国民の信頼が確保され(中略)、公務員の政治的中立性が維持されることは、国民全体の重要な利益にほかならない」
「公務員の政治的中立性を損なうおそれのある公務員の政治的行為を禁止することは、それが合理的で必要やむを得ない限度にとどまる限り、憲法が許容するところである」
(昭和49年11月6日 最高裁判所大法廷)

裁判所としてはその人権を制限することによって失われる利益と得られる利益を比較して、判断をしているようです。

冒頭のデカンさんの問いに戻りますが、少なくとも直接、職業によって思想の自由を制限する法律の条文はないと思います。
しかし、免職や停職といった何らかのペナルティを課す場合に、その対象となった人の表現活動が不利な事情として斟酌されても、やむを得ないことはあると思います。
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